ストーリー    

ジェイコブ＆コーが本格的な時計ブランドとして注目されるきっかけとなったモデルが、2015年に発売されたオリジナルのエピックXコレクションです。この時計は、スポーティで高度な時計技術を駆使したスケルトンウォッチを代表するトレンドを先取りしました。エピックXは、後にエピックXクロノやエピックXトゥールビヨンに発展し、第2世代のデザインの設計図となりました。

エピックXのデザインは、当時ユニークであり、時計の内外装の調和がとれている数少ない例のひとつでした。コレクション名にもなっているXのデザインは、2本のラグに描かれており、スケルトンムーブメントの縦型ブリッジで連結されています。これにより、作品全体に一貫したフォルムが生み出されています。

スケルトンムーブメント

エピックXのアイデンティティに欠かせない存在であるキャリバーJCAM45は、当初からスケルトン仕様としてデザインされました。このキャリバーは、自由でグラフィカルな構造の恩恵を受けており、12時位置のワイドな香箱と6時位置のバランスホイールがキャリバーの垂直性を際立たせています。そして、垂直のブリッジによってさらに強調されています。このブリッジには、エピックXの特徴的な仕上げのひとつであるクル・ド・パリ（パリのホブネイル）ギョーシェが施されており、四角いピラミッドからなる彫刻の模様がポリッシュ仕上げの面を持ち、時計製造の古典的なモチーフであるテクスチャーとユニークな光の反射をもたらします。

キャリバーJCAM45は、極限まで透かし彫りが施されています。地板のブラックメッキの表面には、ペルラージュ、サンドブラスト、バーチカルグレインが施され、ムーブメントのケースバックを見ると、特徴的な"オクトパス"スプリングが見えます。このスプリングは極めて薄く、エレガントにカーブした3枚のブレードから構成されており、エピックXのオートオルロジュリーの呼び名を証明するような形をしています。

ブレスレット＆ストラップ

エピックXのブレスレットは、ケースのユニークな角度と曲線に由来する、まったく新しいデザインです。5連のリンクの1つ1つが、ポリッシュ仕上げで面取りされた立体的な彫刻となっています。半八角形の輪郭と湾曲した底面を持っています。これと入念な立体造形の研究により、手首に理想的なフィット感を生み出しています。そして、このリンクのひとつひとつは、18Kローズゴールドで作られています。さらに、エピックXの特徴である、ハニカムラバーストラップも引き続き用意されています。

ケースデザイン

デザインを一新したエピックXのこのモデルは、18Kローズゴールドで作られています。その最も印象的なアップデートは、ケースの新しい形状です。段差のあったベゼルは滑らかなポリッシュ仕上げとなり、角度はよりシャープになりました。X字型のラグはフルフラットになり、サファイアクリスタルのやや上方から始まっています。その両端はより角度がつき、より垂直になり、ストラップとのフィット感がさらに向上しています。

ケースバンドは、ケースサークルの外側まで伸びており、リューズガードを形成しています。その間にあるリューズは、18Kローズゴールドの先端部に2段の切り欠きが入ったデザインになっています。エピックXには、アルミニウムで作られたカラフルな構成部品がいくつか用意されており、これが新しいデザインの基本となっています。このモデルでは、ローズゴールドのケースとのコントラストを生み出すために、鮮やかな色合いのグリーンを使用しています。

このカラーはインナーリングにも採用され、書体も新たに生まれ変わりました。さらに、サファイアケースバックから見える、キャリバーJCAM45の複雑な部品の向こう側にある裏側にも、この色が使われています。

文字盤＆針

スケルトン時計であるエピックXには、文字盤そのものがありません。全面的に装飾されたプレートでは、大きな魅力であるキャリバーへの視界が遮られてしまうからです。そこで、ジェイコブ＆コーはデザインセンスにこだわり、縦型ブリッジを組み込んだのです。ムーブメントの一部でありながら、文字盤の役割のひとつを担っているのです。

エピックXの特徴的な仕上げのひとつである。クル・ド・パリ（パリのホブネイル）ギョーシェは、四角いピラミッドとポリッシュ仕上げのフェイスで構成される彫刻です。時計製造における伝統的なモチーフであり、テクスチャーとユニークな光の反射をもたらします。

エピックXは、スケルトンかつスポーティーなスピリットを持つコレクションをさらに引き立てる針を採用しています。ワイドなバトン型の針は、大部分が透かし彫りとなっており、先端が赤色になっているのが特徴です。この針はエピックXの他のモデルにはない色であり、視認性を著しく向上させています。