ストーリー    

アストロノミアは、21世紀の超高級時計製造の代表格であり、ジェイコブ＆コーの時計製造技術の象徴として世界的に認められているモデルです。前例のない大胆なコンセプトと完全な機械式構造で世間を驚かせたアストロノミアは、時計学的な偉業の域を超え、複合的なエンジニアリングの傑出した成果として評価されています。

アストロノミア トゥールビヨン バゲットは、アストロノミアとジェイコブ＆コー独自のジェムセッティングのノウハウを組み合わせたものです。4本のアームで構成されたムーブメントが、サファイアとダイヤモンドに囲まれた壮麗なケース内を回転しながら浮遊する美しい作品です。

2018年に発表された「アストロノミア フローレス」は、サファイアクリスタルのみで作られたユニークなケースにちなんで名付けられました。"フローレス "とは通常、ダイヤモンドの透明度の最高グレードを指します。したがって、このモデル名は、アストロノミア フローレスの透明なサファイアケースにふさわしいと言えるでしょう。

アストロノミア フローレス マルチカラーは、ケースの底面に281個のマルチカラーサファイアを敷き詰めて、この物語に華を添えています。

アストロノミア専用キャリバー

「アストロノミア」は、時計製造における創造性と技術の結晶です。各アームには、ジェイコブ＆コーだけの独自の複雑機構が搭載されています。地球を表現した青い手塗りのマグネシウム製地球儀は「ジェイコブカット」と呼ばれる288のファセットを持つ回転球面ダイヤモンド、特許取得の3軸トゥールビヨン、特許取得のdディファレンシャルギアシステムによる時間表示サブダイヤルが搭載されています。この4本のアームは、10分で時計の中心を回り、壮大な背景の上を回転します。

アストロノミアコレクションは対になるアームの重量が同じになるように完璧に計算されています。これは、他にない素材工学と時計ムーブメント設計の証です。このように対向するアームに同じ重さを持たせることで、ムーブメントが空間内で異なる方向を向いたときに、軸にかかる負担や引張力を軽減しています。

トリプルアクシス（3軸）・トゥールビヨン

トゥールビヨンは、もともと機械式懐中時計の調速機を搭載し、計時性能を高めるために考案された1軸の回転機構ですが、アストロノミア トゥールビヨンは、220年以上の歴史を持つ発明を、洗練さと複雑さの面において息を呑むレベルにまで高めています。

3軸トゥールビヨンは、高級時計製造の最先端を行くもので、繊細に装飾されたケージには、バランスホイール、ヘアスプリング、ガンギ車、その他数多くの極めて重要な部品が収められています。繊細な装飾が施されたケージには、テンプ、ヒゲゼンマイ、ガンギ車などの重要な部品が収められています。手作業による組み立てと高度な調整により、JCAM10は60時間のパワーリザーブを通じて正確な時を刻み続けます。

1軸目のフル回転には、伝統的な1軸のトゥールビヨンを彷彿とさせる60秒を要します。2軸目の回転には2.5分、3軸目は4本のアームが10分で回転します。このように、最先端のテクノロジーと時代を超えた時計製造の伝統が融合することで、トゥールビヨンの機能に大胆な新風を吹き込んでいます。

文字盤

 

アストロノミア フローレス マルチカラーは、ケースのサファイアクリスタルの底面に、281個のマルチカラー・サファイアを手作業でセッティングして敷き詰められています。サファイアの高品質と引き立て合う色合い、そして滑らかな仕上げは、ジェイコブ＆コーの宝石調達力と技術力あってのものです。

ジェイコブカット・ダイヤモンド

ジェイコブ＆コーは1986年の創業以来、貴石使用の最前線に立ち、数々の特殊なカットとセッティング技術を開発してきました。そして、アストロノミア トゥールビヨンのために、288ファセットのジェイコブカット-ダイヤモンドを開発しました。この特殊なカットは、限られたカッターしか行うことができず、最初は完成品の2倍の大きさの原石からスタートします。まず、十分な大きさの原石を探し出し、純度、透明度、色が内外ともに最高品質であること、そしてインクルージョン（内包物）がないことが条件となります。もし、カット中にインクルージョンが見つかったら、そのダイヤモンドはすべて採用されません。

次に、熟練のカッターが手作業で、ファセット（288面）をひとつひとつカットしていきます。この作業は、完璧な丸みと対称性が求められるため、ゆっくりと慎重に行わなければなりません。アストロノミア コレクションに使用されるジェイコブカット-ダイヤモンドは、完全に球体かつ、他の3つの衛星（時刻表示、3軸トゥールビヨン、マグネシウム製地球儀）と同じ重さでなければなりません。

その際、カッターの力が強すぎると、ダイヤモンドが削られ、ボールの直径が小さくなってしまいます。このカット作業には、少なくとも2週間はかかります。

288のファセットを持つ1カラットのジェイコブカット-ダイヤモンドを作るには、最初のラフダイヤモンドの半分以上をカットすることになります。

288のファセットを手作業でカットし、すべてが左右対称であること、そしてダイヤモンドが完全に球体であることを確認する複雑さが、アストロノミア・コレクションに使用されているダイヤモンドを特別なものにしています。

マグネシウム製地球儀

 

地球儀はブルーラッカー仕上げのマグネシウム製で、4つの衛星の重さが全く同じになるように、ホワイトゴールドの大陸が使われています。地球儀は30秒で自転し、10分で文字盤の周りを一周します。

ケース＆クリスタル

 

極めて精巧な時計機構と宝石を散りばめたような美しさは、卓越したエンジニアリングとサファイアクリスタル仕上げ技術の集大成です。ケースは、直径50mm、厚さ25.45mmとなっています。このモデルは、12.57カラットのマルチカラーサファイアを敷き詰めています。

文字盤＆針

 

時刻表示サブダイヤルは、アストロノミアの4本アームで構成されたムーブメントのプラットフォームと一緒に回転しながらも、常に水平で読みやすい状態に保つことができるディファレンシャルシステムで駆動しています。スケルトナイズされた文字盤のローマ数字は手彫りで、ブラックラッカーで塗られ、手仕上げの針はガンブルーメタリックで表示されています。

要約:

-サファイアクリスタル製の美しいアストロノミア・フローレスケース
-ベースとなる文字盤には281個のマルチカラー・サファイア（合計12.57カラット）が見えないようにセッティングされています。
-4つの衛星が絶えず文字盤の周りを回転（10分で一周）
-特許取得のアストロノミア トリプルアクシス トゥールビヨン
-1カラットの288面体ジェイコブカットダイヤモンドとマグネシウム製の球体（30秒で自転）
-特許取得のディファレンシャル機構により、時刻表示は常に正しい方向で表示されています。