ストーリー    

アストロノミアは、21世紀の超高級時計製造を代表するモデルであり、ジェイコブ＆コーの時計製造技術の象徴として世界的に認められているモデルです。前例のない大胆なコンセプトと完全な機械式構造により、アストロノミアは時計学的な偉業にとどまらず、複合的な工学的偉業として世界的に認められています。

アストロノミアの中心は、前例のない4本アームのムーブメントです。各アームには斬新なコンプリケーションが搭載されています。そのうちの2つのコンプリケーションは、その設計と技術によって特許を取得しています。残りの2つは、ジェイコブ＆コーの熟練の職人技が際立つオリジナルの芸術品です。これらを組み合わせることで、壮大なサファイアクリスタルのケースの中で回転しながら浮遊する、動くオブジェの光景が生まれます。

2018年に発表された「アストロノミア フローレス」は、サファイアクリスタルのみで作られたユニークなケースにちなんで名付けられました。"フローレス "とは通常、ダイヤモンドの透明度の最高グレードを指します。この名前にふさわしく、アストロノミア フローレスは透明なサファイアケースとなっています。

ジェイコブ＆コー創設者のジェイコブ・アラボは、アストロノミアは宇宙と天体のあらゆるアイデアと神秘にインスパイアされたものだと語っています。2014年の登場以来、新作を発表するたびに新たな驚きと期待を抱かせています。アストロノミアの物語が続く中でも、高級時計とラグジュアリーの世界において、すでに地位を確立しています。

アストロノミア専用キャリバー

 

画期的な4本アームの垂直ムーブメント「アストロノミア」は、時計製造における創造性と技術力の結晶です。各アームには、ジェイコブ＆コー独自のコンプリケーションが搭載されています。マグネシウムと手塗りの地球儀、「ジェイコブカット」と呼ばれる288のファセットを持つ球状のダイヤモンド、特許取得の3軸トゥールビヨン、特許取得のディファレンシャルギアシステムによる時・分表示のサブダイヤルなどです。

一対の対向するアームは、互いに完璧に計算されたカウンターウェイトであり、比類なき材料工学と時計ムーブメント設計の証です。これは、素材工学とムーブメント設計の卓越した技術の賜物です。

トリプルアクシス（3軸）・トゥールビヨン

 

この220年以上の歴史を持つ複雑機構を、現代の洗練された複雑機構として息を呑むようなレベルにまで高めました。

アストロノミア トゥールビヨンの3軸トゥールビヨンは、現代の時計製造の最前線に位置するものです。繊細な装飾が施されたケージには、バランスホイール、ヒゲゼンマイ、ガンギ車、その他いくつかの重要な部品が収められています。この透明なケースが特徴的なトゥールビヨンは、3軸を同時に回転させることができます。この見事な仕上げが施された部品群によって、アストロノミア キャリバーは60時間のパワーリザーブを通じて正確な時を刻むことができるのです。

伝統的な1軸のトゥールビヨンと同じように、1軸目の回転には60秒を要します。2軸目の回転には2.5分、3軸目はアストロノミア ムーブメントの4本のアームが10分で文字盤上を回転します。このように、最先端の技術と時代を超えた時計製造の伝統が融合することで、トゥールビヨンの機能にも大胆な新風が吹き込まれているのです。

ダイヤモンド

 

ムーブメントの上にホワイトダイヤモンドをセッティングしています。

ジェイコブカット・ダイヤモンド

 

ジェイコブ＆コーは1986年の創業以来、貴石使用の最前線に立ち、数々の特殊なカットとセッティング技術を開発してきました。そして、アストロノミア トゥールビヨンのために、288ファセットのジェイコブカット-ダイヤモンドを開発しました。この特殊なカットは、限られたカッターしか行うことができず、最初は完成品の2倍の大きさの原石からスタートします。まず、十分な大きさの原石を探し出し、純度、透明度、色が内外ともに最高品質であること、そしてインクルージョン（内包物）がないことが条件となります。もし、カット中にインクルージョンが見つかったら、そのダイヤモンドはすべて採用されません。

次に、熟練のカッターが手作業で、ファセット（288面）をひとつひとつカットしていきます。この作業は、完璧な丸みと対称性が求められるため、ゆっくりと慎重に行わなければなりません。アストロノミア コレクションに使用されるジェイコブカット-ダイヤモンドは、完全に球体かつ、他の3つの衛星（時刻表示、3軸トゥールビヨン、マグネシウム製地球儀）と同じ重さでなければなりません。

その際、カッターの力が強すぎると、ダイヤモンドが削られ、ボールの直径が小さくなってしまいます。このカット作業には、少なくとも2週間はかかります。

288のファセットを持つ1カラットのジェイコブカット-ダイヤモンドを作るには、最初のラフダイヤモンドの半分以上をカットすることになります。

288のファセットを手作業でカットし、すべてが左右対称であること、そしてダイヤモンドが完全に球体であることを確認する複雑さが、アストロノミア・コレクションに使用されているダイヤモンドを特別なものにしています。

マグネシウム製地球儀

 

地球儀はブルーラッカー仕上げのマグネシウム製で、4つの衛星の重さが全く同じになるように、ホワイトゴールドの大陸が使われています。地球儀は30秒で自転し、10分で文字盤の周りを一周します。

ケース

 

このような複雑で高度な時計製造は、アストロノミア・コレクションの象徴であり、エンジニアリングとサファイアクリスタル仕上げの専門技術の集大成であるサファイアクリスタル製のケース、ドーム型のサファイアクリスタルのトップとカーブしたサイドは、すべて手作業でポリッシュされ、反射防止コーティングが施され、芸術的な美しさを際立たせています。

文字盤＆針

 

時刻表示サブダイヤルは、アストロノミアの4本アームで構成されたムーブメントのプラットフォームと一緒に回転しながら、常に水平で読みやすい状態に保つことができるディファレンシャルシステムで駆動しています。スケルトナイズされた文字盤のローマ数字は手彫りで、ブラックラッカーで塗られ、手仕上げの針はガンブルーメタリックで表示されています。

要約:

 

-アイコニックな3軸トゥールビヨン
-ケースには全面サファイアクリスタルが使用
-ムーブメントの上には、約2.88カラットのダイヤモンドがセットされています
-4つの衛星が10分で絶えず文字盤の周りを回転
-288個のファセット（面）のジェイコブカット-ダイヤモンドが30秒で自転
-マグネシウム製地球儀が30秒で自転
-独自のディファレンシャル機構により、回転していても常に視認性の高い12/6の方位で時刻を表示
-ドーム型およびカーブ型の反射防止加工を施したサファイアクリスタル-リューズのないユニークなデザインで、ケースバックに巻上げと時刻合わせのためのリフトアウトボウを装備