ストーリー    

アストロノミアは、21世紀の高級時計製造の最高峰であり、ジェイコブ＆コーの時計製造技術のシンボルとして世界的に認知されています。この前例のない時計は、斬新なコンセプトと革新的な機械構造の両方において、世界初の快挙を成し遂げました。アストロノミアは時計学上の功績を超え、卓越した学際的エンジニアリングの偉業となりました。

2023年に2度目の新作発表となるアストロノミアは、単なる進化や性能の向上ではありません。「アストロノミア レボリューション」が、ムーブメント全体が60秒で1周するという記録破りのスピードを達成した直後、「アストロノミア レボリューション 4thディメンジョン」は、3軸トゥールビヨンの壁を打ち破りました。

このユニークなモデルは、史上初の4軸トゥールビヨンです。

パートナーシップ

「アストロノミア レボリューション 4thディメンジョン」は、ジェイコブ＆コーの2つの深いパートナーシップの結晶です。まず一つは、Only Watchへの参加と最先端かつ卓越した時計を世に提供するという長年の取り組みです。このユニークな作品は、時計界のリーディングチャリティであるOnly Watchに寄付されました。Only Watchは、2005年にデュシェンヌ型筋ジストロフィー（DMD）の研究資金を募るため、一点ものの時計をオークションにかけることで設立されました。アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、2023年11月5日にジュネーブのクリスティーズでオークションにかけられます。

アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、ジェイコブ＆コーとコンセプト・ウォッチ・ファクトリーの創設者であり、名匠の時計職人でもあるヴァレリアン・ジャケ氏のアイデアです。「私とコンセプト・ウォッチ・ファクトリーのチームは、約20年にわたり、ジェイコブ＆コーと、そしてジェイコブ・アラボ自身と、深く濃密なパートナーシップを築いてきました。トゥールビヨンのスペシャリストとして、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの研究を支援するために、この世界初の時計にジェイコブ＆コーと共に署名できることを非常に誇りに思っています。」
「アストロノミア・コレクションの始まりから、できるだけ速く回転させたかったのです。そして、アストロノミア レボリューションで1分に到達しました」とジェイコブ＆コーの創設者兼会長であるジェイコブ・アラボは語ります。「アストロノミア・コレクションを発表した当初から、可能な限り高速で回転させたいと考えていました。並外れたトゥールビヨンにしたかったのです。そして、4軸に到達しました。これは初めて時計が3軸トゥールビヨンの壁を破る偉業です。ジェイコブ＆コーとコンセプト・ウォッチ・ファクトリーは共に、このような独創的かつ専門的な高いレベルの創造力と専門知識を、Only Watchという広く認知されたチャリティ団体に寄与するべきだと判断しました。」

4軸フライング・トゥールビヨン

アストロノミアのこれまでのモデルでは、トゥールビヨンは2軸または1軸であり、第3軸はプラットフォーム全体の回転によって提供されていました。また、それらは常にフライング・トゥールビヨンであり、アッパーブリッジを備えていませんでした。アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、時計メーカーが長年行き詰っていた4次元の壁を打ち破ります。

アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、初めての2アーム・カルーセルを搭載したアストロノミアです。このカルーセルは、60秒ごとに1周するスピードで回転します。これがトゥールビヨンの最初の回転軸となります。
そして、第1アームの先端には、3軸フライングトゥールビヨンが装備されています。脱進機は3組の歯車によって回転します。最初の歯車は60秒、2番目の歯車は18秒、最後の歯車は15秒で回転します。これは単に軸数が多いだけでなく、速度も非常に速いという卓越した技術の結晶です。 そして、2アームのプラットフォームであるムーブメント全体が時計回りに1分間で高速回転し、トゥールビヨン・キャリッジが進むことで、史上初の4軸トゥールビヨンとして、重力と戦っているのです。

モザイク宝石ダイヤル

 

ベースダイヤルのデザインは一般的に大聖堂などで見られるような芸術作品です。ただし、このベースダイヤルは宝石で作られています。総数35個の宝石が使用されており、7つの異なるタイプがあり、それぞれ異なる色をしています。ヘソナイトガーネットはオレンジ色、シトリンは黄色、サファイアは青色、ツァボライトは緑色、ロードライトガーネットは紫色、トパーズは淡い青色、ピロープガーネットは赤色です。

各宝石は、一般的なカットに属さない、特注の形状でカットされています。通常の宝石の配置とは異なり、テーブルが上に、キュレットが下に向くような配置ではありません。ジェイコブ＆コーは逆の配置を選び、幾何学的なフィールドを作り出し、クリスタルと光の凹凸のある立体的な風景を生み出しました。

1980年代からカラーストーンの先駆者であったジェイコブ＆コーは、赤色、青色、オレンジ色、黄色、緑色といったカラーストーンのテイストを多くのタイムピースに応用させました。アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンのカラフルなフィールドは、ジェイコブ＆コーならではの新たな形で再構築されたものです。

スピード・レボリューション

 

アストロノミアは、その誕生以来、ジェイコブ＆コーの創造性を原動力に、技術、空間、そして時間を旅してきました。アストロノミアは発表当初、1周20分のスピードでスタートしました。その後、アストロノミア ソーラーはそれを10分に短縮。アストロノミア レボリューションは、1周1分ですべての記録を塗り替えました。アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、そのスピードを維持したまま、4軸トゥールビヨンという特別な機能を追加しました。

コンスタントフォース

 

1分間に1周する速度で周回するためには、膨大なエネルギーが必要です。ジェイコブ＆コーは、キャリバーJCAM54を流れる強力なエネルギーフローを制御するために、次世代のコンスタントフォースデバイスを開発しました。アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、特許を申請中の特別な周波数を持つウィップベースのトルク調整システムを導入しています。

テンプの振動数と同じ1/6秒ごとに、歯車列がヒゲゼンマイを作動させます。そして、ヒゲゼンマイは4番車の近くにある星形の歯車（ウィップ）を解放します。この歯車は、香箱とトゥールビヨンからのエネルギーフローを緩衝する役割を果たします。ムチが作動するたびに、次の1/6秒の間、トゥールビヨン・キャリッジが必要とするエネルギー量が伝達されます。この絶妙なエネルギー調整により、ジェイコブ＆コーは非常に複雑なタイムピースでありながら、36時間という驚異的なパワーリザーブを維持することに成功したのです。

ケース＆クリスタル

 

アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンは、宇宙船のように徹底的に愛情を込めてデザインされた、非常に魅力的なオブジェです。ケースの直径は47mm、厚さは27mmで、その堂々たるサイズは、キャリバーJCAM54とその機能要件によって決定されました。ジェイコブ＆コーは、オリジナルのアストロノミアケースの主な特徴を取り入れ、アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンが宇宙を駆け巡る物語にふさわしい形に仕上げました。

アストロノミア レボリューション 4thディメンジョンのケースバンド全体は、1枚の透明なサファイアで作られています。クリスタルはドーム型の大きなサファイアクリスタル。ケースバックはフルバックで、単にシンプルにするためだけではありません。他のアストロノミア同様、リューズはなく、その機能はケースバックに移され、巻き上げ用と時刻合わせ用の2つのボウの間に分散されています。